避難所環境の整備について〔危機管理監-160、幸区長-160〕
◆野田雅之 委員 おはようございます。私は一問一答で、避難所の環境整備について、幸市民館の環境改善について、フッ化物洗口の取組について、また、川崎市自動車運送事業につきましてはやり取りで理解しましたので、要望のみさせていただきます。
まず、避難所の環境整備について伺います。令和元年東日本台風は本市に様々な教訓を残しましたが、その教訓を最大限に生かし、充実した防災・減災対策に取り組むことが必要であります。そこで、来年度予定される総合防災情報システムの更新の内容とスケジュールを危機管理監に伺います。
◎高橋実 危機管理監 総合防災情報システムの更新等についての御質問でございますが、現在の総合防災情報システムにつきましては構築からおよそ10年が経過しており、技術の進展や機材の小型化など様々な変化がございまして、この間にも国内で起こった様々な災害を教訓として災害現場と指揮本部の情報伝達の可視化など、多様なシステムやアプリ等が登場しておりますので、更新に当たっては最新の汎用製品を導入することで、被害状況の把握や市内部での情報連携、被災者への支援や市民の皆様への情報発信、情報共有等の一層の向上を図るよう取り組んでいるものでございます。また、スケジュールにつきましては、来年度より更新作業に入り、令和3年度の出水期までに配備する予定でございます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 システムは令和3年度の出水期までに配備をするとのことであります。では、多くの市民が利用した避難所と、区や市の本部とのやり取りを文字情報や映像などで見える化する手段の確立を以前から要望してまいりました。検討状況を危機管理監に伺います。
◎高橋実 危機管理監 避難所環境に係る情報システムの向上についての御質問でございますが、令和元年東日本台風では、各避難所と区本部、市本部等との円滑な情報共有を行うことが迅速な災害対応につながるものと改めて認識したところでございます。各避難所などのいわゆる現場の状況把握は的確な判断を行う上で必要不可欠なものであり、モバイル端末などの小型軽量で持ち運ぶことができる情報端末の活用は有用であると考えております。今後につきましては、総合防災情報システムの更新に併せ、モバイル端末の利用につきましても検討してまいります。以上でございます。
◆野田雅之 委員 令和3年度のシステム更新に併せてモバイル端末の利用も検討するとのことでありました。職員のみならず、自主防災組織や避難所運営会議の担当者が利用できる見える化されたタブレットなどのシステム連動端末を更新時、もしくは運用後の試験運用を経て適正に配置いただくよう要望いたします。
では、令和元年東日本台風時の幸区内の避難所の備蓄物資の供与について幸区長に伺います。
◎関敏秀 幸区長 備蓄物資の供与についての御質問でございますが、昨年10月の令和元年東日本台風におきましては、生活必需品等を持参せずに避難所へ避難する方が多数いたことから、必要な物資につきまして備蓄から供与したものでございます。毛布の提供につきましては、本市の洪水・土砂災害用避難所運営マニュアル作成指針を踏まえ、幸区において作成した区内各避難所のマニュアルに沿って避難者へ供与したものでございます。また、時間の経過とともに避難者から食料等を求める声が多数寄せられたことから、幸区災害警戒本部では避難者の健康に配慮することを第一に、水や食料等の備蓄物資を区内全21か所の避難所において必要に応じ提供する判断を行ったものでございます。以上でございます。
幸市民館のトイレ及び舞台の環境改善について〔総務企画局長-161、幸区長-161、162、教育次長-162、加藤副市長-162〕
◆野田雅之 委員 毛布の提供はマニュアルに沿い、水や食料等の備蓄物資は避難者の健康に配慮することを第一に提供したとのことでありました。現在、今年の5月末までのマニュアル更新を目指し作業が進んでいますが、今回の教訓を生かし、自主防災組織や避難所運営会議の目線に立ち、各区本部が避難者に寄り添い、現場状況を十分配慮して対応できるマニュアルの作成を要望いたします。
次に、幸市民館のトイレの洋式化と舞台の環境改善について伺います。昨年第3回定例会の質問以降、多くの区民の皆様から、改善への期待や私の質問を支持する御意見を賜っております。そこで、トイレの洋式化について昨年の第5回定例会一般質問以降、快適化を来年度以降に実施するにはさらに進展しているはずですが、状況と今後の方向性を総務企画局長に伺います。
◎大澤太郎 総務企画局長 トイレの洋式化についての御質問でございますが、区役所、市民館・図書館など市民に身近な市内66施設を対象に、施設の築年数や施設規模、年間利用者数などの諸条件に基づく基礎資料を取りまとめるとともに、モデルケースの設定や標準的な整備水準について検討したところでございます。次に、関係局区との調整状況につきましては、モデルケースに選定した施設のうち、幸、多摩、麻生の各市民館・図書館などについて令和2年度にトイレの改修設計や必要に応じ配管調査を実施してまいります。今後とも関係局区と連携を図りながら、トイレの快適化に向けた取組を進めてまいります。以上でございます。
◆野田雅之 委員 幸や多摩、麻生の市民館・図書館がモデルケースに選定され、令和2年度には改修設計や必要に応じ配管調査を実施するとのことでした。多くの区民が要望するトイレの快適化を来年度の設計を経て来年度中の実現、かなわなければ確実に令和3年度に達成するよう要望いたします。
それでは、同じく幸市民館大ホールの舞台環境について、まず昨年度の利用状況を幸区長に伺います。
◎関敏秀 幸区長 幸市民館大ホールについての御質問でございますが、平成30年度の利用実績といたしまして、延べ288団体に御利用いただき、大ホールの利用区分である午前、午後、夜間をそれぞれカウントした件数の合計で647件、利用率は62.5%でございました。主な利用目的といたしまして、吹奏楽やオーケストラの演奏会をはじめ各種研修会、講習、講演として、また、学校行事やイベントの開催会場として御利用いただいたところでございます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 それでは、先日、舞台に起因する事故の事案を耳にいたしました。その内容を幸区長に伺います。
◎関敏秀 幸区長 幸市民館大ホールについての御質問でございますが、大ホール利用時に発生した事故等でございますが、令和元年6月に、舞台袖の階段におきまして舞台出演者が転倒する事案が2件ございました。また、本年2月に、剥離した舞台の床材が日本舞踊の団体利用者の足袋に刺さるという事案が1件ございました。以上でございます。
◆野田雅之 委員 舞台袖の階段での転倒が2件、また、剥離した床材が利用者の足袋に刺さる事案があったとのことであります。転倒への対応は既に手すりと照明を設置したことを現地で確認させていただきましたので、床材が足袋に刺さる事案となった舞台の状況を幸区長に伺います。
◎関敏秀 幸区長 幸市民館大ホールについての御質問でございますが、幸市民館は築39年が経過し、経年劣化による老朽化が顕著となっており、特に舞台の床の剥離等が見受けられる状況でございます。このため舞台運営等に係る委託業者の日常点検に加え、市民館職員による徹底した舞台チェックを毎日実施し、安全確保を図っているところでございます。今後につきましても、補修工事を行うとともに、舞台チェックの結果、応急処置を施す必要が生じた場合は速やかに対応を図るとともに、引き続き安全な施設運営を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。
◆野田雅之 委員 経年劣化による老朽化が顕著であり、特に舞台の床の剥離等が見られるとのことでした。ディスプレーをお願いいたします。市民館の舞台がこのような全景であります。袖から見るとこういう形であります。現在は、製材する前の木材のような舞台の状況であります。こういうふうにささくれておりまして、触るとぽろっと取れてしまうという状況であります。こういうふうに数々剥離したところがありまして、見ても分からないかもしれませんけれども、こういう剥離材は触るだけでぽろぽろと木材が取れてしまう状況であります。実際、こういうものが足袋に刺さったという事例であります。幸いにして足に刺さらなかったというようなお話でありましたけれども、現在、大事故につながりかねない状況であります。そこで、財産の所管局である教育委員会の見解を教育次長に伺います。
◎石井宏之 教育次長 幸市民館についての御質問でございますが、幸市民館大ホールにつきましては、これまで施設の長寿命化を図るため舞台照明や音響、空調設備の改修等を実施してきたところでございます。舞台の床の改修につきましては、令和3年度の本格改修の実施を目指し、令和2年度に設計を行う予定としておりまして、引き続き、トイレの快適化を含め、利用者が安全・安心に活動できる環境整備に向けた取組を進めてまいります。以上でございます。
◆野田雅之 委員 現状では新たな事故がいつ起きてもおかしくなく、舞台の利用自体も許されない状況であります。改善が急務ですが、見解と今後の対応、そしてトイレの快適化と併せて加藤副市長に伺います。
◎加藤順一 副市長 幸市民館についての御質問でございますが、幸市民館は生涯学習の拠点として多くの市民の皆様に御利用いただいており、多様な市民活動が展開されております。これらの活動を支えていくため、大ホールをはじめとする館内の施設につきましては、これまでも計画的な改修を行ってまいりましたが、快適な利用環境の整備に向けたトイレの洋式化につきましても、庁内横断的な検討を進めてきたところでございます。今後も適切な維持管理を行いながら安全・安心な施設運営を行っていくことはもちろんのこと、市民の皆様により一層快適に御利用いただけるよう、関係局区が連携し、効果的な環境整備に取り組んでまいります。以上でございます。
児童生徒に対するフッ化物洗口の実施について〔教育次長-163〕
◆野田雅之 委員 適切な維持管理を行いながら、安全・安心な運営を行うとありました。しかし、現在は通常使用すら厳しい状況でありますので、大至急対策をとっていただきたいと思います。とはいえ、急場をしのぐ補修だけでは追って次々に綻びが出るのは目に見えております。教育次長からは本格改修とありましたので当然全面貼り替えと考えますし、時期は令和3年度とされました。トイレの快適化も含め、早期に休館の段取りを進め、令和3年度の早い時期の実施を強く要望いたします。
それでは次に、児童生徒に対するフッ化物洗口の実施についてであります。先日の他会派のフッ化物洗口に対する見解と対応についての質問に、教育長は実施する際の課題や課題解決の手法など、学校における今後の取組の方向性について、歯科医師会や学校関係者と連携しながら考える場を設けると答弁しました。学校施設などのフッ化物洗口は、専門家による効果の確認、長期間にわたる実施状況を踏まえ、我々自民党と私が代表質問や定例会で繰り返し質問し、過去には我々自民党の浅野議員も取組を求めてまいりました。しかしながら、近年も教育委員会からは、学校の歯科保健教育は児童生徒が自ら考え、実践できる力を育成することを目的に実施していることや、フッ化物洗口については基本的には各家庭の考えの下に取り組んでいただくことが望ましいものとして、実施は難しいとの見解を再三再四示してまいりました。私が昨年12月に質問した際も見解は全く変わりませんでしたが、3か月でどのような検討を踏まえ、考える場を設けるという見解に変わったのか、教育次長に伺います。
◎石井宏之 教育次長 学校におけるフッ化物洗口の考え方についての御質問でございますが、学校における歯科保健教育は、児童生徒が自ら考え、実践できる力を育成することなどを目的として様々な取組を実施しており、フッ化物の応用を含めた虫歯予防の取組につきましても、そうした目的に基づいて実施しているところでございます。虫歯予防に当たってフッ化物を応用することの有効性につきましては認識しておりますので、学校の歯科保健に関わる活動において児童生徒や保護者に対して啓発等を進めてきたところでございます。フッ化物洗口の実施に関しましては、この間、新年度に向けて教育委員会内部で検討を行った結果、学校における今後の取組について検討する上で、実施する際の課題や課題解決の手法などを整理することが必要と考えたため、歯科医師会や学校関係者と連携しながら考える場を設けていくこととしたところでございます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 実施に関して、学校における今後の取組について検討する上で、実施する際の課題や課題解決の手法などを整理することが必要と考えたため、考える場を設けることに至ったとのことでありました。今回の教育委員会のフッ化物洗口の実施に向け一歩進んだ行動は、我々自民党も私も心から喜ばしく前向きに捉えております。それでは、関係者で連携して設けられる考える場の内容、メンバー、スケジュールなどを改めて教育次長に具体的に伺います。
◎石井宏之 教育次長 学校におけるフッ化物洗口の取組についての御質問でございますが、今後の取組といたしましては、まず洗口液の適切な保存管理や洗口時間の確保等、学校においてフッ化物洗口を実施するに当たっての様々な課題について、歯科医師会の学校歯科保健に携わっている先生方や学校関係者のそれぞれの率直な意見を聞く機会を設定し、令和2年度中を目途に意見を取りまとめてまいりたいと考えております。これらの意見等を踏まえた上で、改めて実施上の課題解決が可能なのか、歯科保健教育におけるフッ化物洗口をどのように位置づけるかなどについて検討してまいります。以上でございます。
市バス事業の利便性向上について(要望)
◆野田雅之 委員 教育次長から、歯科医師会や学校関係者から率直な意見を聞き、令和2年度中を目途に意見を取りまとめたいとのことでありました。フッ化物洗口はその効果から実績も十分で、国内では1970年に始まり、以来、拡大の一途をたどり、本市においても健康福祉局が補助事業として継続実施し、既に多くの保育園の未就学児に実施されています。まさに生涯を通じて子どもから大人まで健康の保持を本当に図るのであれば、子どもたちの将来にわたる健康を手助けすることは、本市に課せられた使命であります。以前から実施を強く求めている歯科医師会に対し、実施に否定的であった教育委員会から考える場の設置と参加を求めることは、教育委員会が保育園や幼稚園、小中学校での集団実施に向けて課題解決に本気で取り組み、大きく動き出したと思うのが当然であります。令和2年度中を目途に意見を取りまとめるとしたことは大きな成果ですが、課題を解決することが何より未来を担う子どもたちに寄り添うことになりますので、今後の姿勢をしっかりと見守らせていただきます。子どもの貧困対策、健康格差の解消にも大きく寄与する本取組を、本市健康施策の継続性の観点からもぜひともスピード感を持ち、将来的には全校実施に向かうよう強く要望し、引き続き我々自民党と私も歯科医師会などとしっかりと連携し、実施に向けて取り組んでいくことを宣言し、次に移ります。
次に、自動車運送事業費についてでありますが、事前のやり取りで確認できましたので要望のみとさせていただきます。会派の代表質問におきまして4月より委託営業所の一部路線、平日100便程度を直営営業所に戻すとあり、対象路線と対応を確認したところ、幸区の古市場や小向地区を通る川73系統等のことであり、直営の塩浜営業所が効率的な運営などでしっかり対応し、地域交通の要としての公営バスである市バスの役割をしっかりと果たすとのことでありました。地域に不具合が生じないよう十分な対応をお願いいたします。直営、委託と混在する運送事業でありますが、厳しい人材確保への取組や令和元年東日本台風への対応など、前向きな取組も評価されているところです。少子高齢化が進む中、地域の足であるバス交通の役割は増すばかりでありますが、引き続き市民の要望にしっかりと寄り添う市バス事業の姿勢を大切に、安全・安心な運行をお願いいたします。答弁の調整をさせていただきました交通局長をはじめ議場におります理事者の皆様、そして市の職員に多くの退職者の方がいらっしゃると思います。これまで川崎市の発展のために努めてこられたことに感謝を申し上げますとともに、例えば地域を含めて新しい立場で、またこの川崎市の発展のために努めていただければと思っております。質問を終わります。