令和2年 第4回定例会−06月24日-08号

Mar 20, 2023

子どもの交通安全対策について〔市民文化局長-462、463、幸区長-463〕

◆28番(野田雅之) 通告に従いまして、一問一答で質問してまいります。
初めに、子どもの交通安全対策について伺います。新型コロナウイルス感染症の影響により学校が休業となり、今月より学校が再開となりました。例年、1年生が最も交通事故に遭いやすい、かつ、入学してから1か月後に事故が増加するとも言われております。政府広報オンラインにおいても、新1年生の事故率の高さが指摘されていますが、今年は新型コロナウイルス感染症による影響で、交通ルールなどを学ぶ機会も限定されており、学校再開後の今もまた今後の事故多発が懸念されます。そこで、全市並びに幸区における子どもの事故別発生件数を伺います。また、近年の事故状況の推移と、市内もしくは県内の傾向を市民文化局長に伺います。
○副議長(花輪孝一) 市民文化局長。
◎市民文化局長(向坂光浩) 中学生以下の子どもの交通事故発生状況についての御質問でございますが、平成30年における市内の発生状況は、歩行者事故106件、死者数ゼロ人、負傷者数108人、自転車事故103件、死者数ゼロ人、負傷者数132人となっております。次に、幸区内の発生状況といたしましては、歩行者事故7件、負傷者数7人、自転車事故6件、負傷者数6人となっております。近年の子どもの歩行者及び自転車交通事故発生状況は、市内及び幸区ともにほぼ横ばいで推移しているところでございます。また、県内の傾向ではございますが、過去5年間における歩行中の交通事故死傷者は、年齢別では7歳が最も多くなっております。以上でございます。
○副議長(花輪孝一) 野田議員。
◆28番(野田雅之) 答弁では、中学生以下の子どもの歩行中の交通事故死傷者数は、県内においても、いわゆる魔の7歳と言われる7歳が最も多いとのことでありました。それでは、児童が通う川崎の市立の小学校では、例年交通安全教室を実施しておりますが、その内容や実施実績などを伺います。また、交通安全教室では、学年を分けて歩行と自転車の教室を実施していますが、実施学年の根拠を市民文化局長に伺います。
○副議長(花輪孝一) 市民文化局長。
◎市民文化局長(向坂光浩) 交通安全教室についての御質問でございますが、市内の小学校におきまして、区役所、川崎市交通安全協会、神奈川県警察等と連携を図りながら、1年生を対象とした歩行教室と3年生を対象とした自転車教室を、これまでは主に上半期に開催しておりました。具体的な内容といたしましては、歩行教室では、交通安全ルールの講義及び歩行実技指導などを、自転車教室では、通行ルールの講義及び乗車実技指導などを行っており、令和元年度においては、歩行教室を127回、自転車教室を113回開催いたしました。歩行教室につきましては、小学校への入学に伴い1人で歩く機会が多くなる1年生を対象とし、自転車教室につきましては、行動範囲の広がりに伴って自転車の利用機会が増える3年生を対象としているところでございます。以上でございます。
○副議長(花輪孝一) 野田議員。
◆28番(野田雅之) 歩行及び自転車においてルールを学ぶ講義と実技を伴った指導が行われているということ、また、魔の7歳、いわゆる一人歩きデビューである1年生には歩行の教室、そして自転車の利用機会が増える3年生には自転車の教室を行っているとのことでありました。それでは、子どもの交通事故の減少に寄与する貴重な教育の場である交通安全教室ですが、今年度は新型コロナウイルス感染症によって支障を受けているはずですが、現状を市民文化局長に伺います。
○副議長(花輪孝一) 市民文化局長。
◎市民文化局長(向坂光浩) 今年度の交通安全教室の取組についての御質問でございますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、5月末まで小学校が臨時休業となり、予定していた交通安全教室の開催ができなかったことから、現在、区役所及び関係機関等と連携を図りながら、下半期への振替開催を含めた柔軟な対応に向けて調整を進めているところでございます。以上でございます。
○副議長(花輪孝一) 野田議員。
◆28番(野田雅之) それでは同様に、幸区におけるコロナ禍における交通安全教室の現状を幸区長に伺います。
○副議長(花輪孝一) 幸区長。
◎幸区長(関敏秀) 今年度の交通安全教室の取組についての御質問でございますが、例年、春の入学始業時から5月までの間、区内小学校13校に加え、幸区の児童が多く登校する中原区の下河原小学校を合わせた14校で28回実施しているところでございます。今年度は、コロナ禍による小学校の臨時休業の影響で、4月、5月は交通安全教室が実施できず、6月の学校再開以降、本日24日現在で3校、5回の実施にとどまっております。なお、既に実施した3校、5回につきましては、実技を伴わない内容で実施したところでございます。以上でございます。
○副議長(花輪孝一) 野田議員。
◆28番(野田雅之) 今回のコロナ禍における小学校再開以降、3校で5回の実施で、残念ながら実技は伴わない内容であったとのことであります。本来子どもたちを守る取組として、新1年生と3年生が早期に受けておきたかった学校での交通安全教室がほとんど実施されていない状況であります。残された今年度の9か月間で、学校と連携し、効率よく着実に、できれば早期に実技を伴って実施されるべきであります。とはいえ、これから迎える暑い夏場への対応や、新型コロナウイルス感染症などへの備えも考慮しつつ、来年度以降も対応できるような新しい取組を進めるべきですが、見解と方向性を幸区長に伺います。
○副議長(花輪孝一) 幸区長。
◎幸区長(関敏秀) 交通安全対策についての御質問でございますが、交通安全教室につきましては、児童の命を守るために重要であることから早期に実施してまいりたいと考えております。また、交通安全教室は、座学による講話と自ら体験する実技の組合せが相乗効果をもたらすものと考えております。今年度の交通安全教室は、新型コロナウイルス感染症拡大により6月以降再開しておりますが、新型コロナウイルス感染症を想定した新しい生活様式に対応するとともに、天候に左右されず、熱中症対策にもつながるような、従来の手法に捉われない新たな手法を早急に検討し、実施に向けて取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(花輪孝一) 野田議員。

JR南武線連続立体交差事業について〔幸区長-464、建設緑政局長-464、465、市長-465〕

◆28番(野田雅之) 講話と自らが体験する実技の組合せが相乗効果が見込めるとのことであります。また、天候に左右されず、熱中症対策にもつながる従来の手法に捉われない新たな手法を早急に検討して、実施に向けて取り組んでいただけるとのことであります。新型コロナウイルス感染症による小学校の休業が解け、再開が6月となった今、例年の事故多発月である5月に相当するのが来月の7月になります。子どもたちの事故への警戒を怠るわけにはいきません。交通安全教室の運営の御協力をいただいているPTAの方からも、時期ややり方などの要望をいただく子どもたちを守る大切な取組であります。ぜひ急ぎ対応いただき、答弁にありました新しい手法を、できれば体験が伴う手法の導入に向けて取り組んでいただきますよう、また新しい取組が小学生のみならず、区民の皆様の交通安全教育に寄与するような手法を採用いただけるように要望いたします。
次に、JR南武線連続立体交差事業について伺います。1927年に南武鉄道として開業して今年93年目を迎えたJR南武線でありますが、本市を縦断し、主要駅を結ぶ大動脈であり、今も昔も、今後将来も川崎市にとってなくてはならない重要なインフラであります。そこで現在、既定路線で今年度中の都市計画決定を目指すJR南武線連続立体交差事業について、まず地元幸区における事業に対する御意見等を集約する機会にはどのようなものがあるのか、また、区民からの御意見や要望にはどのようなものがあるのか、幸区長に伺います。
○副議長(花輪孝一) 幸区長。
◎幸区長(関敏秀) JR南武線連続立体交差事業についての御質問でございますが、初めに、区民の意見を集約する機会につきましては、昨年度、JR南武線連続立体交差事業の説明会や都市計画マスタープラン幸区構想の改定に向けたワークショップを行ったところでございまして、今後も南武線連続立体交差事業の都市計画決定手続の中で御意見をいただく機会がございます。次に、区民からの意見でございますが、昨年度行われた事業説明会でのアンケートでは、道路渋滞の解消や踏切事故の防止といった意見が寄せられております。また、幸区町内会連合会から対市要望として、連続立体交差事業の早期実施についての要望が毎年寄せられております。なお、平成18年度には、幸区町内会連合会より市議会に対して、JR南武線未高架地域の連続立体交差化に関する請願が提出され、全会一致で採択されたところでございます。以上でございます。
○副議長(花輪孝一) 野田議員。
◆28番(野田雅之) それでは、近年の本市の取組、また関係機関との取組状況を伺います。加えて、同時完成を目指すお隣の横浜市との協議内容等について建設緑政局長に伺います。
○副議長(花輪孝一) 建設緑政局長。
◎建設緑政局長(磯田博和) JR南武線連続立体交差事業についての御質問でございますが、初めに、現在までの取組につきましては、平成30年度から3年間の工期でJR東日本に委託し、概略設計及び環境影響評価のための作業を行っておりまして、今年度は設計内容の照査や昨年度までに実施した騒音振動に関する調査結果などを踏まえ、準備書の作成を進めております。また、本市におきましては、用地測量を進めているところでございまして、沿線の土地所有者との境界立会いがおおむね完了したことから、今年度は連続立体交差事業と合わせて整備を予定している都市計画道路大田神奈川線などの関連道路の境界立会いを実施してまいります。次に、住民への説明会につきましては、平成29年度からオープンハウス型の説明会を幸区、中原区で開催しております。昨年度は、かしまだハロウィンと合同で開催し、1,000名以上の来場者がございました。引き続き事業の周知に取り組んでまいります。次に、横浜市との協議状況につきましては、横浜市は、本市の検討調査の進捗状況等を勘案しながら、事業の有効性などについて検討していると伺っております。このため本市といたしましては、横浜市と十分な連携を図り、横浜市域と川崎市域の同時完成に向けて協力を求めているところでございます。以上でございます。
○副議長(花輪孝一) 野田議員。
◆28番(野田雅之) それでは、今年度中の決定に向けて現在進められている作業内容について伺います。また、今年度中の都市計画決定に対する見通しと見解を、建設緑政局長に伺います。
○副議長(花輪孝一) 建設緑政局長。
◎建設緑政局長(磯田博和) 都市計画決定についての御質問でございますが、現在、今年度中の都市計画決定に向けた手続に必要な図書の作成及び国や鉄道事業者などの関係機関と協議を進めているところでございます。今後につきましても、新型コロナウイルス感染症の影響による働き方改革など、社会経済状況の変化を見据えつつ、引き続き鉄道事業者と取組を進めてまいります。以上でございます。
○副議長(花輪孝一) 野田議員。
◆28番(野田雅之) 今の御答弁だと、今後については、新型コロナウイルス感染症の影響による働き方改革など、社会経済状況の変化を見据えつつ取組を進めるとのことでありました。残念ながら今年度中の決定をする旨の明言がいただけませんでした。それでは、ディスプレーをお願いいたします。見にくければ、ぜひ皆さん、釈迦に説法なんですけれども、大きいのも後ろにあるので振り返っていただければと思うんですけれども、今回事業を進める矢向駅から武蔵小杉駅間、川崎市域約4.5キロの計画スケジュールが上段になります。下段が、平成8年度に事業完了している武蔵小杉駅から第三京浜間の事業スケジュールであります。第三京浜までだと、これは国庫補助調査採択ということで昭和48年に採択を受け、2年後に都市計画決定がなされております。そして、事業認可までに1年間、工事着手まで2年間です。都市計画決定をして、3年後には工事の着手に入っております。沿線3.9キロ、2駅が絡んだ工事でありました。今回のエリアは4.5キロですけれども、平成26年に国庫補助対象として採択されて、正式調査と詳細の調査が行われております。令和2年に都市計画決定で進んでおりますので、紫色の矢印のところ、今まさに本当に直前のところまで来ておりまして、計画では事業認可が令和3年、そうしますと用地取得と工事施工で、用地取得は多少延長も長いので数年延びるとしても、工事着手のところに令和5とか7とかいう数字が多分入ってくると思います。このスケジュールを示させていただいて、市長に伺いたいと思いますが、既定路線であります今年度中の都市計画決定を目指す今、今後の方向性と市長の思いを伺いたいと思います。
○副議長(花輪孝一) 市長。
◎市長(福田紀彦) JR南武線連続立体交差事業についての御質問でございますが、本事業は踏切の除去による交通渋滞の解消のほか、緊急輸送道路や避難場所への避難路確保など、大規模な災害が発生した際に、市民の命を守り、安心して暮らせるまちづくりの実現のため重要な取組と認識しております。新型コロナウイルス感染症の影響による今後の社会変容を見据えながら、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。以上です。
○副議長(花輪孝一) 野田議員。
◆28番(野田雅之) 本来でありますと、今示させていただいているスケジュールでもお分かりいただけたように、過去の経験からも、非常に大きなハードルである都市計画決定がもう間近に迫っている、来年の3月までには超える直前の今でありますけれども、市長、また建設緑政局長からは、ようやくここまで来たみたいなテンションの高い今後に向けての力強い思いがあまり聞けなかったのかなと思って、大変残念ながら歯切れの悪い答弁で、このまま火が消えてしまうとも感じられるような、不安を禁じ得ない答弁でありました。
今年襲った新型コロナウイルス感染症の打撃は本市の経済にも大きな影響を及ぼしましたが、これは日本全体が短期間で収束に導かなければなりませんし、それはまた川崎市も同様であります。それによりまして、長年にわたり地域の悲願となってきた南武線連続立体交差事業の峠である都市計画決定が闇の中に消えてしまうというか、トーンが下がるようなことは到底理解できず、多少の遅れは許したとしても、来年度中には決定に至るのが当然と考えております。南武線の主たる効果、これも皆さん当然御存じだと思うんですけれども、列挙させていただきました。交通の円滑化と安全性向上、ここにはまずは危険な踏切の除去、除却です。防災の観点がかなりクローズアップされておりますが、緊急輸送道路、避難道路の機能強化、木密地域がかなり密集しておりまして、延焼の対策です。第三京浜から小杉駅まで、いわゆる東西が分断されている状況であります。延焼クラスターの点在も見受けられる地域であります。また、公共交通の利便性の向上ということで、バス、鉄道とも定時性と速達性も向上しますし、今後、少子高齢化で様々な方々にも外出の機会も増えるような利便性が高まる事業であると思っております。また、地域の発展という意味では高架下が有効に使えるし、地域のにぎわいには持ってこいの場所になるはずであります。
幸区長の答弁にもありましたとおり、早期実施について、幸区町内会連合会が市へ毎年要望を行っております。また、平成18年度には、同じく幸区町内会連合会より市議会に対して約5万5,000人が署名した請願が提出をされて、全会一致で採択をされております。区民や市民にとって決して譲ることができない重要な取組であります。本市においても、今後進む少子高齢化への対応や環境に優しい都市像とも相まって、公共交通機関の果たす役割は増すばかりでありますし、将来に安全・安心、利便性の優れたインフラを整備することは、今の時代に生きる私たちに託された大きな使命だと思っております。今年度もまだ9か月を残しておりますし、最後まで諦めず、今年度中の決定を目指すよう要望するとともに、30年後、50年後、100年後も、首都圏における元気なまち川崎であり続けるために必要不可欠な事業でありますので、力強く推進していただくよう強く要望いたします。今後も、都市計画決定、事業認可、また工事着手、片手もしくは両手で足りるぐらい、もう直前まで、数年後に迫っておりますので、しっかりと適時議会で取り上げることを宣言して、質問を終わります。

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