平成30年 決算審査特別委員会(健康福祉分科会 第1日)−09月25日-06号

Mar 23, 2023

5款7項1目保健指導費、健康づくり事業における歯っぴーファミリー健診事業費について

◆野田雅之 委員 おはようございます。私は通告に従いまして、5款7項1目保健指導費、健康づくり事業における歯っぴーファミリー健診事業費について、また、保育園、幼稚園におけるフッ化物洗口の支援及び歯科保健指導の実施についておのおの伺ってまいります。
まず初めに、歯っぴーファミリー健診事業について伺います。日本、そして、この川崎市を担う未来ある子どもたちの健康は、川崎市の大切な宝物です。女性は妊娠すると、急激なホルモンバランスの変化やつわりにより、歯周病や歯肉炎にかかりやすくなり、歯周病は早産や低体重児出産のリスクを高めると言われております。多くの議論がなされた結果、本市において、妊婦とそのパートナーを対象とした歯科健診を含めた総合的な健康づくりの事業として歯っぴーファミリー健診事業の実施にこぎつけました。そこでまず、初年度を終えた本事業の予算額、支出済額、予算に対する執行率を伺います。
◎久々津裕敏 健康増進課長 歯っぴーファミリー健診事業の平成29年度予算現額、支出済額、執行率についての御質問でございますが、平成29年度予算現額につきましては2,116万4,000円でございまして、その内訳は、健診等実施委託料として1,252万4,000円、システム改修委託料として572万3,000円、その他、需用費、役務費等で291万7,000円を計上しております。平成29年度支出済額につきましては1,476万5,400円でございまして、その内訳は、健診等実施委託料として642万3,975円、システム改修委託料として572万2,920円、その他需用費、役務費等として261万8,505円となっております。また、執行率は69.8%でございます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 答弁いただきました。全体の執行率は69.8%でありますが、予算に対する支出済額が、システム改修委託料ではほぼ満額、その他の需用費、役務費などでは約9割の支出であるのに対し、健診等実施委託料は約5割の支出にとどまっております。支出ベースでは、想定の受診者数に対して約半数の受診にとどまったことがわかります。初年度の取り組みで健診の意義や受診勧奨などの周知に課題があったことがうかがえますので、今後しっかりと検証し、対策を練るようお願いいたします。では、初年度の事業を終えての受診者数及び受診率についての実績を伺います。
◎久々津裕敏 健康増進課長 受診者数及び受診率についての御質問でございますが、平成29年度妊娠届け出数は1万5,061人でございまして、事業期間の半年間相当に換算すると、健診対象者数は妊婦とパートナーがそれぞれ7,530人となり、健診受診者数は妊婦とパートナーでそれぞれ1,213人と586人でございますので、受診率は、妊婦とパートナー、それぞれ16.1%と7.8%となります。以上でございます。
◆野田雅之 委員 半年の実績で、妊婦1,213人、パートナーで586人とのことで、合計で1,799人の方々が制度を利用したとのことです。初年度を終えての検証にはさまざまな内容のものがあるかと思いますが、新たにスタートした本事業では、受診資格のある外国籍の方などが利用するケースも考えられます。そこで、初年度の受診者実績について伺います。また、外国籍の方々などに対応した問診票を作成するなど、多様化するニーズにしっかりと対応していくことが求められますが、見解を伺います。
◎久々津裕敏 健康増進課長 多様化する受診者ニーズへの対応についての御質問でございますが、歯っぴーファミリー健診受診者における外国籍の方の人数につきましては、詳細を把握できておりません。外国籍の方等に対応した問診票作成などにつきましては、ほかの健康づくりに関する健診事業での実施状況やニーズを踏まえながら研究してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 答弁いただきました。初年度は、受診資格のある外国籍の方などの受診についての把握はできていないとのことでした。今後、制度の充実を図る意味でも、受診者ニーズの把握に努め、多言語による問診票の作成なども含め検討していただくようお願いいたします。本市において初めて行われたパートナーを含めた妊産婦歯科健診は評価されるものであると考えております。一方、成人期の歯科疾患に着目いたしますと、本市では現在、40歳、50歳、60歳、70歳になる市民に対して歯周疾患検診を行っております。本市の歯科事情は、乳幼児から学童期にかけてのお口の健康は他都市と比較してよい状況にありますが、成人期にはその差が縮まる状況です。このような状況を改善するために、今回の歯っぴーファミリー健診事業を手がかりに、将来歯っぴーファミリー健診事業を受診する可能性を持つ、抜け落ちている20歳代、30歳代の歯科健診を行うことも有効であると考えますが、見解を伺います。
◎久々津裕敏 健康増進課長 20歳代、30歳代の成人期を対象とした新たな歯科健診の実施についての御質問でございますが、歯っぴーファミリー健診は、対象を妊婦とパートナーに限定しているものの、20歳代、30歳代を中心とした、ほかの年代に比べ健康づくり意識の低い傾向にある若年層、働き盛り世代を対象とした事業でありますことから、20歳代、30歳代の成人期における歯科健診としての意義を有する事業として認識しているところでございます。新たな歯科健診につきましては、歯っぴーファミリー健診の実施状況を踏まえながら、その意義について研究してまいりたいと存じます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 答弁いただきました。歯っぴーファミリー健診事業が20歳代、30歳代の成人期における歯科健診の意義を有するとのことでした。しかしながら、それは、40歳代以上の歯周疾患検診と比べ、対象者数は余りにも少ないのが現状であります。まずは、歯っぴーファミリー健診事業の成熟を目指すとしながらも、多くの若年層への歯科健診も視野に入れていただきたく、要望いたします。スタートしたばかりの歯っぴーファミリー健診事業であります。初年度を終え、受診率の向上を初め、さまざまな課題が見えてきたはずです。しっかりと検証し、歯科医師会などと連携して充実した広く市民に利用される制度となるように要望し、次に移ります。
それでは次に、同じく5款7項1目保健指導費、健康づくり事業における保育園、幼稚園におけるフッ化物洗口の支援及び歯科保健指導の実施について伺います。フッ素が虫歯の予防に効果的なことは広く知られています。私たちが日ごろ使う市販の歯磨き粉の9割を超えるものに配合され、フッ素配合をうたった歯磨き粉を目にする機会も多いかと思います。フッ素を利用した虫歯の予防は、教育現場でも新潟県弥彦村が1970年に国内で初めて実施してから、約半世紀がたとうとしております。川崎市の未来を担う子どもたちにしっかりと健康な体づくりを届けていくのは本市の重要な役割であります。私も本会議を初め、さまざまな場面で、児童生徒に向けて全国の自治体で普及が進む集団でのフッ化物洗口を本市においても実施するよう強く求めてまいりました。そこで、本市の取り組みとして、啓発を除いて、唯一市内の施設で実施に対して予算計上している本事業について伺ってまいります。まず、昨年度の予算額、支出済額とその内訳を伺います。
◎久々津裕敏 健康増進課長 フッ化物洗口の予算額と支出済額についての御質問でございますが、平成29年度の予算額は142万円、支出済額は142万円となっております。内訳といたしましては、予算額、支出済額ともに、歯科医師派遣125万円、研修17万円でございます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 答弁いただきました。本事業は以前から継続をしてきた事業であります。平成29年第4回定例会において私が行った一般質問で健康福祉局長からは、神奈川県が平成12年度から5年間実施したフッ化物洗口普及のための幼児う蝕予防普及啓発事業の一環として、平成13年度から平成14年度にかけて、市内の5カ所の保育所においてモデル事業としてフッ化物洗口が実施され、本市では、平成14年度から、県のモデル事業の対象となった市内5カ所の保育所を対象に、虫歯予防を目的として、フッ化物洗口の支援を開始、その後、実施希望の市内保育所及び幼稚園に対象を拡大したとのことでありました。そこで、現行の制度になった年度、それ以降の予算額、決算額の推移、また、フッ化物洗口の支援及び歯科保健指導のための歯科医師派遣の年度ごとの実績を伺います。
◎久々津裕敏 健康増進課長 本事業の開始年度、予算額、決算額の推移についての御質問でございますが、本事業は、現在の形での実施は平成26年度からでございます。次に、予算額、決算額の推移につきましては、平成26年度から平成29年度まで、いずれの年度も予算額、決算額ともに142万円でございます。また、フッ化物洗口の支援及び歯科保健指導のための歯科医師を派遣した保育園数は、平成26年度から平成29年度まで、いずれの年度も25園でございます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 それでは、現行制度で事業を継続してきた中で、前年度から次年度にかけ、継続をした施設もあるかと思われますが、例年どの程度の施設が継続して実施をしてきたのか伺います。
◎久々津裕敏 健康増進課長 継続する園の数についての御質問でございますが、平成26年度から平成29年度まで継続している保育園数は21園でございます。以上でございます。
◆野田雅之 委員 継続している施設が保育所で21園とのことでありました。本事業では、現行の制度となる実施施設が25園となる中、そのうちの21園が継続し続けているのは、その実施施設が効果を認識しているからこそ、継続していると考えられます。今後、実施施設の評価や実施児童の追跡調査などを行っていただくよう要望いたします。では、神奈川県の取り組みを契機に、平成14年度から本市においてもスタートを切ったフッ化物洗口でありますが、現在に至るまで少しずつ形を変えながらも、継続し続けた保育所を対象とした集団でのフッ化物洗口でありますが、改めて本事業を継続し続けた意義について伺います。
◎久々津裕敏 健康増進課長 本事業の意義についての御質問でございますが、国内外の広範囲な調査結果から、フッ化物洗口の虫歯予防効果は、時代背景やフッ化物配合歯磨き剤の普及状況によって幅があるものの、30%〜80%の予防率が期待でき、有効であるとの評価が得られております。フッ化物洗口の開始時期とされる幼児が通う保育園、幼稚園を対象とした本事業は、幼児期からフッ化物洗口を行うことへのきっかけづくりや、フッ化物洗口による虫歯予防の普及啓発などの点で、市民の歯と口の健康づくりに寄与してきたものと考えております。以上でございます。
◆野田雅之 委員 答弁いただきました。答弁では、国内外の広範囲な調査結果を示し、フッ化物洗口は虫歯の予防に有効であると評価が得られているとのことであります。また、幼児期からフッ化物洗口を行うことへのきっかけづくり、市民の歯と口の健康づくりに寄与してきたとのことであります。有意義な形で予算執行がされて、市民に届けられているとの認識を持ちました。先ほども述べましたが、本市は乳幼児期から学童期にかけてのお口の健康は他都市と比較してよい状況にありますが、成人期にはその差が縮まる状況です。とはいえ、フッ化物洗口で虫歯に対して強くなった永久歯は、成人してからの歯の健康にも大きく影響すると言われております。何より未来ある子どもたちの健康施策であり、医療費の削減、子どもの貧困対策にもしっかりと機能するフッ化物洗口であります。しかしながら、弱点として継続の困難さが指摘されております。だからこそ、保育所を初め、幼稚園、小学校、中学校での集団での取り組みが大変重要であり、各自治体も意義を十分に理解しているからこそ、実施施設数並びに実施者数が右肩上がりに増加しているわけであります。本市においては、今後も本事業の継続はもとより、希望施設がふえた際にはしっかりと事業の拡大も図っていただくよう要望いたします。
何より未来を担う子どもたちの歯の健康のため、健康全般をつかさどる健康福祉局だけの取り組みとせず、培ったノウハウを全市に共有していくべきであります。幼児期からのフッ化物洗口を行うことへのきっかけづくりが行われているにもかかわらず、継続すべき立場の本市の小中学校では、取り組みの議論が全く進んでいないのが現状であります。本市の職員でもある教育委員会も逃げることなく、真剣に向き合い、実施に向けて取り組むことを強く要望いたします。生まれて、住んでよかったと思える川崎市を今後もつくっていくことをお願いし、質問を終わらせていただきます。

Posted in 議会質問No Comments » 

関連記事